♯IVm7(♭5)のソースを表示

一般に '''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' で説明されるが、キーによっては '''♭Vm7<sup>(♭5)</sup>''' で表記されることもあるだろう。

主にメジャー・キーで使われ、'''[[VII7]]''' に先行する[[関係コード]]のほか、[[ダブル・ドミナント]] '''[[II7]]''' の[[代理コード]]として[[和声的機能|機能]]することがある。

対応するスケールは、[[ロクリアン]]または[[ロクリアン♯2]]である。
'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' に続く '''VII7''' が[[トニック・ディミニッシュ]]代理のときは、ロクリアン♯2が好まれる傾向がある。

[[File:♯IVm7(♭5).png|500px]]

== ドミナント機能を持つ '''VII7''' に先行する関係コード '''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' ==

'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' が、[[ドミナント機能]]を持つ '''[[VII7]]''' に対して[[関係コード]]として先行することがある。
このとき、'''VII7''' は '''[[III]]''' または '''[[♭VII]]''' に進行する[[セカンダリ・ドミナント]]または[[エクステンデッド・ドミナント]]であろう。

このようなとき、'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' に対応するスケールは原則として[[ロクリアン]]であろう。

詳細は、[[[♯IVm7-VII7|'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>'''-'''VII7''']] を参照のこと。

== トニック・ディミニッシュ代理 '''VII7''' に先行する関係コード '''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' ==

'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' が、[[トニック・ディミニッシュ]][[代理コード|代理]]の '''[[VII7]]''' に対して[[関係コード]]として先行することがある。
このようなとき、'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' に対応するスケールは[[ロクリアン♯2]]が好まれる。
なぜなら、[[ロクリアン]]と比べて[[ロクリアン♯2]]のほうが、トニック・ディミニッシュ代理 '''VII7''' に対応する '''VII'''[[半音-全音ディミニッシュ・スケール]]と共通音がわずかに多いからであろう。

詳細は、[[♯IVm7-VII7|'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>'''-'''VII7''']] を参照のこと。

== ダブルドミナント '''II7''' 代理の '''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' ==

メジャー・キーにおいて、'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' が、[[ダブル・ドミナント]]　'''[[II7]]''' の[[代理コード]]となることがある。
このとき、'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' は、実質的に '''II7<sup>9</sup>''' の[[ルート]]を省略したもの（あるいは、[[ベース音]]を '''[[♯IV]]''' に変更したもの）と考えることもできるだろう。

メジャー・キーのダブル・ドミナント '''II7''' は、[[ミクソリディアン]]あるいは[[ミクソリディアン♯4]]であることもある。
よって、ダブル・ドミナント代理 '''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' に対応するスケールは、[[リディアン]]または[[リディアン♯2]]となる。

[[♯IVm7-VII7|'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>'''-'''VII7''']] のうち、'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' をダブル・ドミナント代理と考えることもできる。
例えば、''On Green Dolphin Street''（Bronisław Kaper）の28小節目-29小節目前半や、''There Will Never Be Another You''（Harry Warren）の28小節目-29小節目前半のコード進行は、'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>'''-'''VII7'''-'''[[Imaj7]]''' または '''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>'''-'''VII7'''-'''[[IIIm7]]''' のように演奏することも、また、'''II7'''-'''[[♯IIdim7]]'''-'''IIIm7''' または '''II7'''-'''[[♯IIdim7]]'''-'''[[I/III]]''' のように演奏することができる。

'''II7'''-'''♯IIdim7''' と '''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>'''-'''VII7''' を比べると、'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' はダブル・ドミナント '''II7''' の代理コード、'''VII7''' がトニック・ディミニッシュ '''♯IIdim7''' の代理コードであることが明確であろう。

ほかに、'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''' が ダブル・ドミナント '''II7''' と解釈できる例には次のようなものがある。

* ''Night And Day''（Cole Poter）の9-10小節目（これは、'''II7'''-'''IVm7''' の変形と考えられる）

[[Category:コード進行辞典]]
[[Category:♯IV]]
[[Category:ハーフ・ディミニッシュ・コード]]
{{DEFAULTSORT:4s_m7flat5}}