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楽曲中における一連の[[コード進行]]において、それぞれの[[コード]]の持つ和声的な役割や性質のことをいう。 文脈によっては単に「機能」ということがある。 [[西洋音楽]]におけるコード(和音)やボイス([[声部]])について体系化したものを[[和声]](ハーモニー)という。 [[ジャズ和声]](ジャズ・ハーモニー)は、クラシック音楽を中心とした従来の和声を基本としつつ、即興音楽という[[ジャズ]]の特性や要求にかなうよう独自に変化したものと考えることができる。 == 主要な3つのコード == [[ジャズ]]に限らず、一般に[[西洋音楽]]のほとんどの楽曲には、[[トニック]]、[[サブドミナント]]、[[ドミナント]]の3つの基本的な[[コード]]がよく使われるとされる。 本来、トニック、サブドミナント、ドミナントとは、それぞれスケール上にある1度、4度、5度の[[楽音|音]]を指す「気取った言い方」に過ぎない。 したがって、本来、これらは、[[メジャー・スケール]]における[[階名]]「ド」「ファ」「ソ」、[[マイナー・スケール]]における階名「ラ」「レ」「ミ」の音を指しているにすぎないが、こんにちコードや[[コード進行]]を扱う文脈において、これらの用語を主にそれぞれの音を[[ルート]]とするコードを指すときに使うことがほとんどである。 ちなみに、1度、4度、5度に限らず、[[キー]]に対応する[[メジャー・スケール]]や[[マイナー・スケール]]のすべての音にそれぞれ固有の名前があるが、すべてを覚える必要はないだろう。 ただし、興味がある方のためにいちおうすべて記しておく。 {| class="wikitable" |- ! 度 || 名称(英語) || 名称(日本語) || 備考 |- || 1度 || トニック || 主音 || メジャーまたはマイナー・スケールに対応する[[キー]]の[[トーナル・センター]] |- || 2度 || スーパートニック || 上主音 || メジャー・スケール、マイナー・スケールの長2度 |- || 3度 || ミディアント || 中音 || 上中音ともいう |- || 4度 || サブドミナント || 下属音 || メジャー・スケール、マイナー・スケールの完全4度 |- || 5度 || ドミナント || 属音 || メジャー・スケール、マイナー・スケールの完全5度 |- || 6度 || サブミディアント || 下中音 || |- || 7度 || サブトニック || 下主音 || 長7度にあたるときリーディング・トーン(導音)ともいう |} 大切なのは、キーに対応するメジャー・スケール、マイナー・スケールにおいて、トニック、サブドミナント、ドミナントが、トーナル・センターに対して常に完全1度、完全4度、完全5度に相当し、また[[四度圏]]([[五度圏]])において隣り合っていることを理解することである。 メジャー・キーの主要な3つのコードであるトニック、サブドミナント、ドミナント は、'''[[Imaj7]]'''、'''[[IVmaj7]]'''、'''[[V7]]]''' である。 また、マイナー・キーにおけるトニック、サブドミナント、ドミナントは、'''[[Im]]'''、'''[[IVm7]]'''、'''[[V7]]''' である。 ただし、ジャズ和声では、メジャー・キーとマイナー・キーのトニックやサブドミナントを区別するために、メジャー・コードの場合は [[トニック・メジャー]]や[[サブドミナント・メジャー]]、マイナー・コードの場合には[[トニック・マイナー]]や[[サブドミナント・マイナー]]のようにいう。 つまり、それぞれ1度(4度)をルートとする[[メジャー・コード]](あるいは[[マイナー・コード]])という意味である。 例えば '''Imaj7''' を口頭では「1度メジャー(・セブンス)」のようにいうけれども、この「1度」の部分をやや気取って「トニック」に置き換えて「トニック・メジャー」と言っていると考えればよいだろう。 また、メジャー・キー、マイナー・キーに関わらず、5度(すなわちドミナント)をルートとするコードは、'''V7''' がもっともよく使われるから、口頭で単に「ドミナント」といったときにはこのコードを指す。「[[ドミナント・セブンス・コード]]」の名称も、5度を意味する「ドミナント」に由来する。 童謡や唱歌のような、比較的シンプルな楽曲の多くは、これら3つの主要なコードのみで演奏することができる曲が多い。 すなわち、そのようなシンプルな曲は、メジャー・キーの場合、トニック・メジャー '''Imaj7'''、サブドミナント・メジャー '''IVmaj7'''、ドミナント '''V7'''の3つ、また、マイナー・キーの場合には、トニック・マイナー '''Im'''、サブドミナント・マイナー '''IVm7'''、'''V7''' の3つのコードで演奏することができる。 このように3つのコードだけでシンプルになにかの曲を演奏する場合、次の6通りのコード進行の可能性がある。 # トニック→サブドミナント # トニック→ドミナント # サブドミナント→トニック # サブドミナント→ドミナント # ドミナント→トニック # ドミナント→サブドミナント ただし、曲中にこの6通りの進行がまんべんなくあらわれるわけではない。 実際に調べてみると「ドミナント→サブドミナント」という進行は、「ドミナント→トニック」に対して極めて例が少ないことがわかる。 したがって、ドミナントはトニックに進行しやすいという性質が明らかになる。 なお、トニックやサブドミナントが、それぞれ残り2つのコードに進行する例はそれなりに存在する。 以上をまとめると次のようになるだろう。 [[File:主要な3つのコード.png|500px]] また、実際にさまざまな童謡や唱歌のようなシンプルな曲を調べてみると、大半の曲がトニックで始まること、ほとんどすべての曲がトニックで終わること、サブドミナントが一度も出てこない曲もあるがドミナントが一度も出てこない曲はほとんどないこと、一般的に曲全体に対してトニックの占める割合がほかの2つと比べて高いことなどがわかる。 音楽理論とは教科書で他人から与えられるものではない。 実際の録音や楽譜などの資料を参考に[[ケース・スタディ]]をして検証することでより深い理解が得られるものだと考えている(このことが当サイト設置の動機でもある)。 ぜひ自身で3つのコードで演奏できる童謡や唱歌の類をできるだけ多く収集し、コード進行にどのような傾向があるか、それぞれのコードが曲のどれだけの拍数を占めているかなどについて、自分で調べてみることをおすすめする。 これが、皆さんのジャズ研究の記念すべき第一歩となるものと確信する。 == メジャー・キーにおける代表的なコードと和声的機能 == [[ジャズ・スタンダード]]として現在も演奏されている1920年以降に作曲されたアメリカのポピュラー・ソング、そして1940年代のビバップから今日のコンテンポラリー・ジャズに至るまでのさまざまな[[ジャズ・オリジナル]]には、様々な[[コード]]が使われている。 そして、それぞれの楽曲を理解し演奏や作編曲といった表現に生かすためには、それぞれのコードのもつ和声的機能を[[アナリシス|アナライズ]](分析)して、理解することが大切である。 はじめはジャズ和声が難しいと感じるかも知れない。 しかし、様々なコードが使われている[[ジャズ]]の楽曲であっても、童謡や唱歌と同様に、[[トニック]]、[[サブドミナント]]、[[ドミナント]]が主要な3つのコードであることに代わりはなく、そこから、4つ目以降の主要なコードをひとつずつ覚えていけばよい。 ここでは、[[メジャー・キー]]における代表的な和声的機能について説明する。 [[File:メジャー・キーの代表的なコード.png|500px]] 上の図は、メジャー・キーにおける代表的なコードがどのように進行する傾向があるかについて示したものである。 また、上から下に行くほど[[トニック・メジャー]]に進行しようとする性質が強まると理解していただいてよい。 メジャー・キーの楽曲において、もっとも安定するコードがトニック・メジャーで始まり、もっとも不安定な[[ドミナント]]を経て、安定したトニック・メジャーに進行するといった流れをつかむことをまずは目標にしていただきたい。 「不安定さ」とは、機械の「ぜんまい」に例えることができるだろう。 すなわち、ぜんまいを少し巻いた状態が[[サブドミナント・メジャー]]、それよりももっと巻いた状態が[[サブドミナント・マイナー]]、そして、ぜんまいを目一杯巻いた状態がドミナントである。 ぜんまいを強く巻けば巻くほど、トニック・メジャー(ぜんまいを巻く前の安定した状態)に勢いよく戻ろうとする。 すなわちトニック・メジャーに進行しようとする傾向が強くなるのである。 === メジャー・キーの主要な3つのコード === メジャー・キーで使われる主要な3つのコードについて簡単に説明する。 ==== トニック・メジャー '''Imaj7''' ==== トニック・メジャー '''[[Imaj7]]''' は、メジャー・キーの楽曲全体を代表するコードであり、多くの曲はトニック・メジャーで始まり、ほぼすべての曲はトニック・メジャーで終わる。 また、楽曲の途中の主要な部分をトニック・メジャーが占める。 したがって、図の一番上と一番下にトニック・メジャーを配置している。 ジャズ和声を理解するとき、慣れるまではトニック・メジャー(マイナー・キーにおいてはトニック・マイナー)までの道筋を理解すると考えたらよいだろう。 また、トニック・メジャーは、あらゆるコードに進行できるという性質がある。 よって、上に配置したトニック・メジャーからは、すべての要素に対して矢印を引いてある。 ==== サブドミナント・メジャー '''IVmaj7''' ==== すでに述べたように、サブドミナント・メジャー '''[[IVmaj7]]''' は、ドミナントやトニック・メジャーに進行する。 なお、トニック・メジャーから進行するケースと比べて、ドミナントから進行する事例は圧倒的に少ないことから、ここでは、ドミナントからサブドミナント・メジャーへの矢印は省略した。 ==== ドミナント '''V7''' ==== トニック・メジャーに進行する性質が強いドミナント '''[[V7]]''' は、図の下から2段目に記した。 '''V7''' からトニック・メジャーへの矢印はこの進行が起こりやすいことを示している。 === ドミナントと「トゥ・ファイブ」 === 「[[トゥ・ファイブ]]」あるいは「トゥ・ファイブ・ワン」は、もっとも知られたジャズの[[コード進行]]であろう。 メジャー・キーにおいて「ファイブ」と「ワン」は、それぞれドミナント '''V7''' とトニック・メジャー '''Imaj7''' である。 なお、「トゥ」とは一般に '''[[IIm7]]''' であるが、[[IIm7(♭5)|'''IIm7<sup>(♭5)</sup>''']]であることも 少なくない。 これについてはそれぞれの項目を参照のこと。 '''IIm7''' は、サブドミナント・メジャー[[代理コード|代理]]だと説明される場合もあり、一概に誤りというわけではない。 しかし、私は「トゥ・ファイブ」全体でドミナント機能を持つと解釈すべきだと考える。 いくつか理由をあげることができるがここでは2つを示すにとどめておく。 1つ目は、例えば童謡唱歌のようなシンプルな曲をジャズの演奏用に[[リハーモナイゼーション|リハーモナイズ]]するとき、もともと [[IVmaj7-V7|'''IVmaj7'''-'''V7''']] だったところを [[IIm7-V7|'''IIm7'''-'''V7''']] に置き換えるよりも、もともと '''V7'''だったところの前半を '''IIm7''' に置き換えて「トゥ・ファイブ」とする場合が圧倒的に多いからである。 2つ目として、[[ダブル・ドミナント]] '''[[II7]]'''との関係からである。 後述するが、ダブル・ドミナントはドミナントに進行しようとする和声的機能を持つ。 このとき、[[II7-V7|'''II7'''-'''V7''']] という進行が想定されるが、実際には、'''II7'''-'''IIm7'''-'''V7''' という進行も少なくない。 ここ '''IIm7''' をサブドミナント・メジャーとみなすとダブル・ドミナント '''II7''' の機能や進行先を見失うであろう。 ところが「[[IIm7-V7|'''IIm7'''-'''V7''']]」全体をドミナントであると捉えることで、ダブル・ドミナント '''II7''' が明確にドミナントに進行していると理解することができる。 この '''IIm7''' のことを私は '''V7''' の[[関係コード]]と呼んでいる。 '''V7''' のように(広義の)[[ドミナント機能]]をもつドミナント・セブンス・コードは、そのルートの完全5度上をルートとする[[マイナー・セブンス・コード]]または[[ハーフ・ディミニッシュ・コード]]が関係コードとして先行して、いわゆる(広義の)「トゥ・ファイブ」となることが多い。 === ダブル・ドミナント '''II7''' とその関係コード === ダブル・ドミナント '''II7''' とは、[[ドミナント]]への[[ドミナント機能|ドミナント]]である。 ドミナント '''[[V7]]''' が[[トニック・メジャー]](マイナー・キーにおいては[[トニック・マイナー]])に進行するときのように、[[ドミナント・セブンス・コード]]には、完全5度下の音を[[ルート]]とするさまざまな[[コード]]に進行しようとする和声的機能があり、これを(広義の)[[ドミナント機能]]という。 したがって、'''II7''' はその完全5度下の音 '''V''' をルートとするコードに進行しようとするのだが、進行先が特に '''V7''' であるとき、この'''II7'''をダブル・ドミナントという。 なお、ダブル・ドミナントは広義のドミナント機能を持つので、関係コード('''[[VIm7]]''' または [[VIm7(♭5)|'''VIm7<sup>(♭5)</sup>''']])が先行することがある。 このとき、関係コードも含めてダブル・ドミナントとみなすことができる。 ダブル・ドミナントは、ドミナントに進行しようとする以外にもいくつかの性質があり、[[サブドミナント・マイナー]]やトニック・メジャーにも進行することがある。 === '''IV''' へのセカンダリ・ドミナント '''I7''' とその関係コード === ドミナント '''V7''' やダブル・ドミナント '''II7'''は、完全5度下の音をルートとするコードに進行しようとする[[ドミナント・セブンス・コード]]のドミナント機能を備えている。 このようなドミナント・セブンス・コードが持つドミナント機能を活用して、あるコードに円滑かつ明確に進行するために、その目的のコードの完全5度上のドミナント・セブンス・コードを先行させることがある。 このようなドミナント・セブンス・コードを[[セカンダリ・ドミナント]]という。 [[メジャー・キー]]において、サブドミナント・メジャー '''IVmaj7''' には '''[[I7]]''' が先行する場合がある。 このとき、'''I7'''は '''IV''' へのセカンダリ・ドミナントである。 また、セカンダリ・ドミナントはドミナント機能を持つため、その[[ルート]]の完全5度上をルートとするマイナー・セブンス・コードまたはハーフ・ディミニッシュ・コードが関係コードとして先行することがある。 '''IV''' へのセカンダリ・ドミナント '''I7''' に対しては、'''[[Vm7]]''' または [[Vm7(♭5)|'''Vm7<sup>(♭5)</sup>''']] が関係コードとして先行することがある。 === メジャー・キーにおけるサブドミナント・マイナー === [[サブドミナント・マイナー]]は、[[マイナー・キー]]における主要な3つのコードのひとつであるが、メジャー・キーにおいても使われることがある。 マイナー・キーにおけるサブドミナント・マイナーが '''[[IVm7]]''' であるのに対し、メジャー・キーのサブドミナント・マイナーは、原則として '''[[IVmmaj7]]''' または '''[[IVm6]]''' である。 メジャー・キーにおけるサブドミナント・マイナーは、サブドミナント・メジャーとドミナントの中間的な和声的機能を持つ。 よって、このコードは、トニック・メジャーやサブドミナント・メジャーから進行することがあり、また、ドミナントやトニック・メジャーに進行しやすい。 また、前項で説明した '''IV''' へのセカンダリ・ドミナント '''I7''' から進行しやすいようにも思われるかもしれないが、実際に調べてみるとメジャー・キーにおける '''I7''' はサブドミナント・メジャー '''[[IVmaj7]]''' に進行するものが大半であり、サブドミナント・マイナー '''IVmmaj7''' に進行する例は少ない。 サブドミナント・マイナーは '''[[♭VII7]]''' に進行することが多い。 この '''♭VII7''' から見ると、サブドミナント・マイナー '''IVmmaj7''' と広義の「トゥ・ファイブ」の関係になっているので、'''IVmmaj7''' は '''♭VII7''' の関係コードのように思われる方もいるだろう。 ところが、この '''♭VII7''' はサブドミナント・マイナーの[[代理コード]]である。 また、私は、'''♭VII7''' のほうがサブドミナント・マイナー '''IVmmaj7''' の関係コードだと考えている。 つまり、これまで見てきた [[IIm7-V7|'''IIm7'''-'''V7''']]、[[VIm7-II7|'''VIm7'''-'''II7''']]、[[Vm7-I7|'''Vm7'''-'''I7''']]が、いずれもドミナント・セブンス・コードが「本家」として明確な和声的機能(それぞれ、ドミナント、ダブル・ドミナント、'''IV''' へのセカンダリ・ドミナント)を持っていて、先行するマイナー・セブンス・コードがそれらの「分家」として派生したと考えられるのに対し、[[IVmmaj7-♭VII7|'''IVmmaj7'''-'''♭VII7''']]というコード進行では、[[マイナー・コード]]側が「本家」としてサブドミナント・マイナーという明確な和声的機能を持ち、後置されるドミナント・セブンス・コードが必ずしも[[ドミナント機能]]を持たずに「分家」、すなわちサブドミナント・マイナーの代理コードとして機能しているに過ぎないということである。 この '''♭VII7''' は、一般にサブドミナント・マイナー代理といわれているけれども、私があえて「関係コード」という言葉を使う理由は、一見して「トゥ・ファイブ」にみえるマイナー・コードとそれに続くドミナント・セブンス・コードのペアのうち、どちらが「本家」にあたるのかを判断する習慣を確実に身につける必要があると考えるからである。 なお、メジャー・キーにおけるサブドミナント・マイナー '''IVmmaj7''' や '''IVm6''' とその代理コード'''♭VII7'''、それに [[IIm7(♭5)|'''IIm7<sup>(♭5)</sup>''']](これはサブドミナント・マイナー代理のほか、ドミナント '''V7''' の関係コードの場合もある)は、そのキーの[[メロディック・メジャー・スケール]]に基づいている。 === その他のコード === 図に示した以外にも、メジャー・キーで使われるコードがいくつかあるので以下に示す。 ; '''IIm7''' : ドミナント '''V7''' の関係コードのほか、サブドミナント・メジャー代理として使われることがある。 ; '''[[IIIm7]]''' : トニック・メジャー代理。 ; '''[[Idim7]]'''、'''[[♭IIIdim7]]'''、'''[[♯IVdim7]]'''、'''[[VIdim7]]''' : [[トニック・ディミニッシュ]](ただし '''VIdim7''' はあまり見かけることはない)。 ; '''[[VII7]]''' : トニック・ディミニッシュ代理。しばしば関係コードとして '''[[♯IVm7]]''' や[[♯IVm7(♭5)|'''♯IVm7<sup>(♭5)</sup>''']]が先行する。 ; '''[[VIm7]]''' : トニック・メジャー代理、あるいはサブドミナント・メジャー代理。また、[[平行調]]の[[トニック・マイナー]]のこともある。 ; '''[[VI7]]''' : '''[[IIm7]]''' への[[セカンダリ・ドミナント]]。また、'''[[II7]]''' に進行する場合は、[[エクステンデッド・ドミナント]]を形成する。いずれもしばしば関係コード '''IIIm7''' や [[IIIm7(♭5)|'''IIIm7<sup>(♭5)</sup>''']]が先行する。 ; '''[[III7]]''' : '''[[VIm7]]'''へのセカンダリ・ドミナント(この場合、平行調のドミナントである場合もある)。あるいは、サブドミナント・メジャーへのセカンダリ・ドミナント '''I7''' の代理コード。いずれもしばしば '''[[VIIm7]]''' や [[VIIm7(♭5)|'''VIIm7<sup>(♭5)</sup>''']] が関係コードとして先行する。 == マイナー・キーにおける代表的なコードと和声的機能 == [[マイナー・キー]]で使われる代表的な[[コード]]と和声的機能について、以下の図に示す。 [[File:マイナー・キーの代表的なコード.png|500px]] これは、[[メジャー・キー]]について示した図から、[[サブドミナント・マイナー]]を省いた上で、[[トニック・メジャー]]を[[トニック・マイナー]]に、また、[[サブドミナント・メジャー]]をサブドミナント・マイナーに変えたものにほぼ等しい。 ただしいくつか注意点もある。 === トニック・マイナーとその関係コード === マイナー・キーのトニック・マイナーとその[[代理コード]]は、原則としてその[[キー]]の[[ナチュラル・マイナー・スケール]]または[[メロディック・マイナー・スケール]]にもとづく。 また、マイナー・スケールとしての[[ドリアン]]にもとづくこともある。 よって、コードは '''[[Im7]]'''、'''[[Immaj7]]'''、'''[[Im6]]''' となることがある。 当サイトではこれらを一括して '''[[Im]]''' と記す。 また、トニック・マイナーの[[代理コード]] '''[[IV7]]''' が '''Im7''' や '''Immaj7''' に後置されることがある。 このとき、広義の「[[トゥ・ファイブ]]」の形になるが、あくまでも「本家」は '''Im''' である。 よって、'''IV7'''は「分家」、すなわち '''Im''' の[[関係コード]]である。 === サブドミナント・マイナーとその関係コード === トニック・マイナーと同様、サブドミナント・マイナー '''[[IVm7]]''' に、その[[代理コード]]である '''[[♭VII7]]''' が後置されることがある。 これは、[[メジャー・キー]]におけるサブドミナント・マイナーと同じである。 このときも、'''IVm7''' が「本家」、'''♭VII7''' が「分家」、すなわち '''IVm7''' の関係コードとなる。 なお、[[マイナー・キー]]のサブドミナント・マイナーとその代理コードは、そのキーの[[ナチュラル・マイナー・スケール]]にもとづく。 したがって、マイナー・キーにおいては、サブドミナント・マイナーは原則として '''VIm7''' となる。 === ドミナント '''V7''' とその関係コード === マイナー・キーにおける[[ドミナント]] '''[[V7]]''' は、原則としてそのキーの[[ハーモニック・マイナー・スケール]]にもとづく。 しかし、その関係コード [[IIm7(♭5)|'''IIm7<sup>(♭5)</sup>''']] は原則としてナチュラル・マイナー・スケールにもとづく。 [[IIm7(♭5)-V7|'''IIm7<sup>(♭5)</sup>'''-'''V7''']] はマイナー・キーでよく使われるコード進行であるため、これを、「マイナー・トゥ・ファイブ」と呼ぶことがある。 ただし、マイナー・キーであっても[[メロディ]]などの条件により、'''V7''' の関係コードとして '''[[IIm7]]''' が使われることもある。 == 平行調と和声的機能 == [[ジャズ]]で演奏される[[マイナー・キー]]の曲のうち、一時的なものを含めてまったく[[転調]]のない曲は[[マイナー・ブルース]]と、ほんの数曲をかろうじて見つけられる程度であって、ほぼすべての曲が[[平行調]]に転調する。 また、一部が並行調に転調している[[メジャー・キー]]の曲も少なくない。 加えて、''Fly Me To The Moon''(Bart Howard)、''Lullaby of Birdland''(George Shearing)、''You'd Be So Nice To Come Home To''(Cole Porter)など、[[トニック・マイナー]]で始まって、平行調の[[トニック・メジャー]]で終わる曲も数多くあげることができる。 このような曲は、一概にメジャー・キーあるいはマイナー・キーの曲であると断じることはできず、平行調関係にある2つの[[キー]]にまたがっていると理解できる。 したがって、キーを指定する際にメジャー・キーとマイナー・キーのどちらのキーで伝えても差し支えないだろう。 さて、このようにマイナー・キーを中心に多くの曲では平行調関係にある2つのキーが同居していることになる。 したがって、あるコードを解釈する上で、そのコードをどちらの文脈で読み解くべきかという判断力が問われるが、実際にはどちらの文脈でも読み取れることも多い。 このような代表的なコードを以下の表に示した。 実際には、これらのコードが[[ピボット]]として双方のキーにおいて機能していることも多い。 {| class="wikitable" ! メジャー・キー || 平行調であるマイナー・キー |- || '''[[IIm7]]''':[[ドミナント]] '''[[V7]]'''の[[関係コード]]。[[サブドミナント・メジャー]][[代理コード|代理]]。 || '''[[IVm7]]''':[[サブドミナント・マイナー]]。 |- || '''[[II7]]''':[[ダブル・ドミナント]]。 || '''[[IV7]]''':[[トニック・マイナー]]代理。 |- || '''[[III7]]''':'''VI'''への[[セカンダリ・ドミナント]]。 || '''[[V7]]''':ドミナント。 |- || '''[[IV7]]''':[[ブルージー]]な[[サブドミナント]]。'''III'''への[[ドミナント|ドミナント機能]] '''[[VII7]]'''の[[トライトーン代理]]。 || '''[[♭VI7]]''':ダブル・ドミナント '''II7''' のトライトーン代理。 |- || '''V7''':ドミナント。 || '''[[♭VII7]]''':[[サブドミナント・マイナー]]代理。 |- || '''[[VIm7]]''':トニック・メジャー代理。サブドミナント・メジャー代理。 || '''[[Im7]]''':トニック・マイナー。 |- || '''VI7''':'''II''' へのドミナント。 || '''[[I7]]''':'''VI'''へのドミナント。 |- || '''[[♭VII7]]''':サブドミナント・マイナー代理。 || '''[[♭II7]]''':ドミナント '''V7''' のトライトーン代理。 |} [[Category:用語辞典|わせいてききのう]]
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