♭VII7

提供:コード辞典
2024年10月16日 (水) 10:40時点におけるNaoki Yoshioka (トーク | 投稿記録)による版

メロディック・メジャー・スケールナチュラル・マイナー・スケールの、それぞれ7度のダイアトニック・コード

対応するスケールは原則として、メジャー・キーのときはメロディック・マイナー・スケールの第7モードであるミクソリディアン♯4マイナー・キーのときナチュラル・マイナー・スケールの第7モードであるミクソリディアンである。

メジャー・キーとマイナー・キーのいずれにおいても、サブドミナント・マイナーに後置される関係コードあるいは代理コードとして機能することが多い。 このほか、VI へのセカンダリ・ドミナント III7トライトーン代理やエクステンデッド・ドミナントの一環となることもある。

サブドミナント・マイナーに後置される関係コードまたは代理コード ♭VII7

メジャー・キーマイナー・キーのいずれにおいても、♭VII7サブドミナント・マイナーに後置される関係コード、あるいは代理コードとして機能していることが多い。

メジャー・キーにおけるサブドミナント・マイナー IVm7 の関係コードまたは代理コード ♭VII7

メジャー・キーにおけるサブドミナント・マイナーは原則として、IVmmaj7 または IVm6 であるが、♭VII7関係コードとしてこれらに後置されたり、あるいは代理コードとしてこれらを置き換えたりすることが多い。

このとき、♭VII7 に対応するスケールは、ミクソリディアン♯4である。 メジャー・キーにおけるサブドミナント・マイナーとその代理コードは、キーに対応するメロディック・メジャー・スケールに基づくからである。 ♭VIIミクソリディアン♯4は、IVmmaj7VIm6 に対応する IVアイオニアン♭3と、すべてのが共通である。

メジャー・キーのサブドミナント・マイナーが IVm7 となる場合もある。 このとき、IVm7 に後置される関係コードまたは代理コードとして ♭VII7 が使われるとき、次項で説明するマイナー・キーの場合と同様、対応するスケールはミクソリディアンになる。

一般に代理コードは、同じ和声的機能を持つ置き換え(代理)可能なコードの選択肢を示すだけであって、演奏中に無条件に置き換え可能であるということではない。 ところが、メジャー・キーにおけるサブドミナント・マイナー IVmaj7 または IVm6 とその代理コード ♭VII7 は、演奏中ほとんど無条件で置き換えることが可能である。

マイナー・キーにおけるサブドミナント・マイナー IVm7 の関係コードまたは代理コード ♭VII7

マイナー・キーにおけるサブドミナント・マイナーでは、IVm7 が使われるが、♭VII7関係コードとして IVm7 に後置されたり、あるいは代理コードとして置き換えたりすることがある。

このとき、♭VII7 に対応するスケールミクソリディアンである。 マイナー・キーにおけるサブドミナント・マイナーとその代理コードは、ナチュラル・マイナー・スケールに基づく。 よって、♭VIIミクソリディアンは、IVm7 に対応する IVドリアンとすべてのが共通である。

VI へのセカンダリ・ドミナント III7 としての ♭VII7

♭VII7 は、VI をルートとする何らかのコードに進行するセカンダリ・ドミナント III7トライトーン代理であることもある。

メジャー・キーマイナー・キーのいずれの場合であっても、先行する関係コードIVm7 が多い。

なお、いずれのキーの場合も ♭IIIルートとする一般的なコードが少ないので、♭VII7 がセカンダリ・ドミナントになる機会はほとんどなさそうだ。

エクステンデッド・ドミナントの一環としての ♭VII7

♭VII7エクステンデッド・ドミナントの一環であることがある。 このとき、メジャー・キーマイナー・キーのいずれの場合であっても、先行する関係コードIVm7 が多い。

平行調のドミナントのトライトーン代理 ♭II7

メジャー・キー♭VII7 が、平行調ドミナント V7(メジャー・キーからみて III7)のトライトーン代理となっていることがある。 このコードは、平行調からみると ♭II7 となる。

対応するスケールは、ミクソリディアン♯4

場合によってはこのとき、サブドミナント・マイナー代理とのピボットになっているとも考えられるだろう。

次のような例がある。

  • Beatrice(Sam Rivers)の4小節目