「メロディック・メジャー・スケール」の版間の差分

提供: コード辞典
編集の要約なし
編集の要約なし
 
4行目: 4行目:
メロディック・メジャー・スケールの各モードは、その[[キー|キー]]([[メジャー・キー]])の[[サブドミナント・マイナー]]に関連するものが多い。
メロディック・メジャー・スケールの各モードは、その[[キー|キー]]([[メジャー・キー]])の[[サブドミナント・マイナー]]に関連するものが多い。


[[File:メロディック・メジャー・スケール.png|500px]]
[[File:C_melodic_major.png]]


メロディック・メジャー・スケールの各モードは次の通り(スケール名の別名も示した)。
メロディック・メジャー・スケールの各モードは次の通り(スケール名の別名も示した)。
15行目: 15行目:
|| 2 || [[ロクリアン♯2]] || 1 2 ♭3 4 ♭5 ♭6 ♭7 || エオリアン♭5
|| 2 || [[ロクリアン♯2]] || 1 2 ♭3 4 ♭5 ♭6 ♭7 || エオリアン♭5
|-
|-
|| 3 || [[オルタード|オルタード・スケール] || 1 ♭2 ♭3 ♭4 ♭5 ♭6 ♭7 || [[スーパー・ロクリアン]]。[[異名同音]]に寛容。
|| 3 || [[オルタード・♯5・スケール|オルタード♯5]] || 1 ♭2 ♭3 ♭4 ♭5 ♭6 ♭7 || スーパー・ロクリアン♯5。[[異名同音]]に寛容。
|-
|-
|| 4 || [アイオニアン♭3] || 1 2 ♭3 4 5 6 7 || [[メロディック・マイナー・スケール]]
|| 4 || [[アイオニアン♭3]] || 1 2 ♭3 4 5 6 7 || [[メロディック・マイナー・スケール]]
|-
|-
|| 5 || [[ドリアン♭2]] || 1 ♭2 ♭3 4 5 6 ♭7 || 実用的に使われる機会はほとんどない。
|| 5 || [[ドリアン♭2]] || 1 ♭2 ♭3 4 5 6 ♭7 || 実用的に使われる機会はほとんどない。
|-
|-
|| 6 || リディアン♯5 || 1 2 3 ♯4 ♯5 6 7 || リディアン・オーグメント。
|| 6 || [[リディアン♯5]] || 1 2 3 ♯4 ♯5 6 7 || リディアン・オーグメント。
|-
|-
|| 7 || ミクソリディアン♯4 || 1 2 3 ♯4 5 6 ♭7 || リディアン♭7、リディアン・ドミナント
|| 7 || [[ミクソリディアン♯4]] || 1 2 3 ♯4 5 6 ♭7 || リディアン♭7、リディアン・ドミナント
|}
|}


各[[ダイアトニック・コード]]は次の通り。
各[[ダイアトニック・コード]]は次の通り。


[[File:メロディック・メジャー・スケールのダイアトニック・コード.png|500px]]
[[File:C_melodic_major_dc.png]]


3番目のダイアトニック・コードを機械的につくれば[[ハーフ・ディミニッシュ・コード]]ができる。
3番目のダイアトニック・コードを機械的につくれば[[ハーフ・ディミニッシュ・コード]]ができる。
35行目: 35行目:


メロディック・メジャー・スケールのすべてのダイアトニック・コードが実用的だということではない。
メロディック・メジャー・スケールのすべてのダイアトニック・コードが実用的だということではない。
キーとの関係で重要なのは、[[[IIm7(♭5)|'''IIm7<sup>(♭5)</sup>''']]、'''III7alt'''、
キーとの関係で重要なのは、[[IIm7(♭5)|'''IIm7<sup>(♭5)</sup>''']]、'''III7alt'''、
'''[[IVmmaj6]]'''、'''[[IVm6]]'''、'''[[♭VII7]]'''である。
'''[[IVmmaj7]]'''、'''[[IVm6]]'''、'''[[♭VII7]]'''である。


これらのコードの主な[[和声的機能]]は次の通り。
これらのコードの主な[[和声的機能]]は次の通り。

2025年9月16日 (火) 21:06時点における最新版

メジャー・スケールの一種で、ジャズでは上行形と下行形を区別しない。 なお、このスケールは、メロディック・マイナー・スケールの第5モードに相当する。

メロディック・メジャー・スケールの各モードは、そのキーメジャー・キー)のサブドミナント・マイナーに関連するものが多い。

メロディック・メジャー・スケールの各モードは次の通り(スケール名の別名も示した)。

番号 名称 構成 備考
1 エオリアン♯3 1 2 3 4 5 ♭6 ♭7 メロディック・メジャー・スケール、ミクソリディアン♭6
2 ロクリアン♯2 1 2 ♭3 4 ♭5 ♭6 ♭7 エオリアン♭5
3 オルタード♯5 1 ♭2 ♭3 ♭4 ♭5 ♭6 ♭7 スーパー・ロクリアン♯5。異名同音に寛容。
4 アイオニアン♭3 1 2 ♭3 4 5 6 7 メロディック・マイナー・スケール
5 ドリアン♭2 1 ♭2 ♭3 4 5 6 ♭7 実用的に使われる機会はほとんどない。
6 リディアン♯5 1 2 3 ♯4 ♯5 6 7 リディアン・オーグメント。
7 ミクソリディアン♯4 1 2 3 ♯4 5 6 ♭7 リディアン♭7、リディアン・ドミナント

ダイアトニック・コードは次の通り。

3番目のダイアトニック・コードを機械的につくればハーフ・ディミニッシュ・コードができる。 ところが、第3モードのオルタード・スケールは、ハーフ・ディミニッシュ・コードではなく、ドミナント・セブンス・コードに対応するスケールのひとつである。 したがって、私は、3番目のダイアトニック・コードを III7alt とした。

メロディック・メジャー・スケールのすべてのダイアトニック・コードが実用的だということではない。 キーとの関係で重要なのは、IIm7(♭5)III7altIVmmaj7IVm6♭VII7である。

これらのコードの主な和声的機能は次の通り。

IIm7(♭5)
ドミナント関係コードサブドミナント・マイナー代理
III7alt
VIへのドミナント、サブドミナント・メジャー IVmaj7IV6)へのセカンダリ・ドミナント I7 の代理コード
IVmmaj7IVm6
メジャー・キーのサブドミナント・マイナー
♭VII7
サブドミナント・マイナー代理

メジャー・キーのサブドミナント・マイナーは原則として IVm7 ではなく IVmmaj7 または IVm6 である。 これはそのキーに対応するメロディック・メジャー・スケールのダイアトニック・コードであって平行調からの借用和音ではない(そもそも平行調の4度のダイアトニック・コードに IVmmaj7IVm6 は存在しない)。

また、サブドミナント・マイナー代理の IIm7(♭5)♭VII7 もメロディック・メジャー・スケールのダイアトニック・コードであり、スケールもそのまま対応する。

このように、メロディック・メジャー・スケールは、メジャー・キーのサブドミナント・マイナーの根拠となる重要なスケールである。