「♭IIIm7」の版間の差分
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2024年10月16日 (水) 10:31時点における最新版
一般に ♭IIIm7 で説明されることが多いが、キーによっては ♯IIm7 で表記されることもあるだろう。
♭IIIm7 は、メジャー・キーでもマイナー・キーでも使われ、対応するスケールはドリアンである。
ダブル・ドミナント II7 のトライトーン代理である ♭VI7 の関係コードとして先行することが多い。 また、♭VI がエクステンデッド・ドミナントの一環をなすとき、その関係コードとして先行することがある。
加えて、メジャー・キーにおいて、IIm7 に半音下行する ♭iIIm7 がほぼ独立した和声的機能を持つことがあると私は考えている。 このほか、トニック・ディミニッシュ ♭IIIdim7 を置き換えるケースがある。
ダブル・ドミナント II7 のトライトーン代理 ♭VI7 の関係コード ♭IIIm7
メジャー・キーあるいはマイナー・キーにおいて、ダブル・ドミナント II7 のトライトーン代理である ♭VI7 の関係コードとして、♭IIIm7 が先行することがある。 このとき、♭IIIm7-♭VI7 全体でダブル・ドミナントとなり、主にドミナント V7 (関係コードが先行する IIm7-V7 や IIm7(♭5)-V7 を含む)に進行する。
エクステンデッド・ドミナント ♭VI7 の関係コード =
♭IIIm7 は、♭VI7 エクステンデッド・ドミナントの一環をなすとき、その関係コードとして先行することがある。 対応するスケールは、ドリアン。
IIm7 に半音下行する ♭IIIm7
♭IIIm7 とその対応するスケールである ♭IIIドリアンは、メジャー・キーに対応するメジャー・スケールに対してほとんど関係がない。 ところが、♭IIIm7はIIm7 に半音下行するコードとしてメジャー・キーでしばしば用いられる。
また、トニック・メジャー代理のIIIm7 から進行して、IIIm7-♭IIIm7-IIm7 のようにマイナー・セブンス・コードが連続して半音下行することがある。 このように、マイナー・セブンス・コードに限らず、あらゆるコードが半音または全音で上行したり下行したりするコード進行はたまにみられることがある。
IIm7 に半音下行する ♭IIIm7 ほとんど独立した和声的機能をもつコードだと考えられ、関係コードとして ♭VI7 が後置されることもある。
このとき、♭IIIm7-♭VI7となり、前項で説明したダブル・ドミナントのトライトーン代理 ♭VI7 に関係コードとして ♭IIIm7 が先行した形と区別がつきにくい。
ただ、前項の ♭IIIm7-♭VI7 が、ダブル・ドミナントとして、IIm7-V7 などのドミナントに進行するのに対し、本項の ♭IIIm7 に関係コード ♭VI7 が後置された ♭IIIm7-♭VI7 は、あくまでも IIm7 に進行するのであって、必ずしもドミナントに進行するとは限らないので、区別できることもある。
また、結果的に IIm7-V7 に進行している場合であっても、♭IIIm7 が「本家」、♭VI7 のほうが「分家」と考えられるケースも多い。
- Darn That Dream(Jimmy Van Heusen)の1小節目後半、19小節目後半(転調先)
トニック・ディミニッシュ ♭IIIdim7 を置き換える ♭IIIm7
♭IIIm7 は、しばしば IIm7 に進行するトニック・ディミニッシュ ♭IIIdim7 を置き換えることが多い。 これは、リハーモナイゼーションとしてしばしば行われる。 このとき前項同様 ♭IIIm7 は IIm7 に進行することになる。
♭IIIm7 に対応するスケールであるドリアンと、♭IIIdim7 に対応するディミニッシュ・スケールの共通音は、階名「ミ♭・ファ・ソ♭・ラ♭・ド」に限られる。 しかし、ストレート・メロディが ♭IIIドリアンと衝突する場面においても、ソロではしばしば、また、テーマにおいてもドリアンにあうようにメロディを変更したりフェイクしたりして、♭IIIdim7 が ♭IIIm7 に置き換えて演奏されることがある。
いずれの場合であっても、関係コードとして ♭VI7 が後置されるケースが多い。
- リハーモナイゼーションとして、♭IIIdim7 を置き換える ♭IIIm7 の例
- East Of The Sun(Brooks Bowman)の32小節目
- Just Friends(John Klenner)の3-4小節目
- ストレート・メロディと衝突するにも関わらず ♭IIIdim7 が ♭IIIm7 に置き換えられる例
- All The Things You Are(Jerome Kern)の32小節目
- Darn That Dream' の6小節目後半(コードの変更に合わせてメロディ階名「ララ♭」が「シ♭ラ♭」に変更することが多い)