「II7」の版間の差分
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2024年10月16日 (水) 10:44時点における版
II7 は ダブル・ドミナントである。
ダブル・ドミナントは、ドミナントへのドミナントとされるので、一般にドミナントに関係するコードに進行しやすい。 また、II7 はドミナント機能を持つので、VIm7 や VIm7(♭5) が関係コードとして先行する。
II7 に対応するスケールは、メジャー・キーでは主にミクソリディアン、ミクソリディアン♯4、ホール・トーン・スケール、マイナー・キーでは主にオルタード・スケールやフリジアン♯3である。 ホール・トーン・スケールに対応するとき、原則としてコード・シンボルは II7(♯5) と記される。
メジャー・キーにおけるダブル・ドミナント II7
メジャー・キーにおける II7 に対応するスケールは、主にミクソリディアン、ミクソリディアン♯4、ホール・トーン・スケールである。 また、ブルージーなメロディのときには、一般にオルタード・スケールが対応する。 ただし、テーマのメロディがミクソリディアンに対応する場合であっても、ソロではミクソリディアン♯4になるケースもある。
- ミクソリディアンの例
- There Will Never Be Another You(Harry Warren)の13-14小節目
- ミクソリディアン♯4の例
- Desafinado(Antônio Carlos Jobim)の3-4小節目(ホール・トーン・スケールも可能)
- ホール・トーン・スケールの例
- Take The `A' Train(Billy Strayhorn)の3-4小節目
- オルタード・スケールの例
- Gee Baby, Ain't I Good To You(Don Redman)の3小節目前半
メジャー・キーでは、ダブル・ドミナント II7 の関係コードとして VIm7 が先行することが多い。 これは、トニック・メジャー代理とのピボットとなっていることが多い。 ただし、II7 がホール・トーン・スケールに対応するとき、関係コードは原則として先行しない。
メジャー・キーの II7 は、主に次のコードに進行する。
- ドミナント V7([[IIm7-V7|IIm7-V7 や IIm7(♭5)-V7|IIm7(♭5)-V7 を含む)
- ドミナントのトライトーン代理 ♭II7(♭IVm7-♭II7)
- トニック・メジャー(ベース音がドミナントのもの)I/V
- サブドミナント・マイナーとその代理コード IVmmaj7'、IVm6、♭VII7
- トニック・ディミニッシュ ♯IIdim7
また、メジャー・キーの II7 は、トニック・メジャー Imaj7 とその代理コード VIm7、II7 へのドミナント VI7 とその代理コード ♭III7(それぞれ関係コードが先行する場合を含む)などから進行する。 VI7 と ♭III7 は、ほとんどの場合エクステンデッド・ドミナントの一環であろう。
また、II7 に進行するトニック・メジャー代理 VIm7 は、II7 の関係コードに相当するが、このコードが II7 に対して相対的に「弱拍」に置かれるとき、いわゆる「呼び込みの関係コード」として機能する。
マイナー・キーにおけるダブル・ドミナント II7
マイナー・キーにおいて、ダブル・ドミナント II7 に対応するスケールは、オルタード・スケールまたはフリジアン♯3のいずれかであることが多いが、これらは実際にはそこまで厳密に区別されないことも多い。 いずれも、短9度と短13度のテンションを持つという共通点がある。
マイナー・キーでは、ダブル・ドミナント II7 の関係コードとして VIm7(♭5) が先行することが多い。 これは、トニック・マイナー代理とのピボットとなっていることが多い。
マイナー・キーの II7 は、主に次のコードに進行する。
- ドミナント V7([[IIm7-V7|IIm7-V7 や IIm7(♭5)-V7|IIm7(♭5)-V7 を含む)
- ドミナントのトライトーン代理 ♭II7(♭IVm7-♭II7)
- トニック・マイナー(ベース音がドミナントのもの)Im/V
また、マイナー・キーの II7 へは、トニック・マイナー Im とその代理コードVIm7(♭5)、II7 へのドミナント VI7 などから進行する。
II7 の代理コードや関係の深いコード進行
ダブル・ドミナント II7 の代理コードとして、トライトーン代理の ♭VI7 がある。 これは、マイナー・キーで特に好まれる傾向にある。
また、メジャー・キーにおけるダブル・ドミナント II7 は、トニック・ディミニッシュ(特に ♭IIIdim7) と関係がある。
例えば、こんにち ’S Wonderful(George Gershwin)の27-28小節目は ♭IIIdim7 で演奏することが多いが、もともとは II7であった。
ただし、対応するスケールに注目すると、 II7 がミクソリディアンであるのに対して、♭IIIdim7 はディミニッシュ・スケールであるため、スケールは共通していない。 よって、♭IIIdim7 は II7 の代理コードとみなすよりも、リハーモナイズしたものと考えるほうが妥当かもしれない。