トニック・マイナー

提供:コード辞典

マイナー・キーにおけるもっとも基本的な和声的機能でマイナー・キーで書かれた楽曲の主要なセクションを占める。 すなわち、マイナー・キーの大半の曲はトニック・マイナーで終わり、また多くの曲はトニック・マイナーで始まる。 また、一時的な転調のある楽曲であっても、大抵の場合トニック・マイナーがその曲の主要な部分を占める。

ただ、マイナー・キーの曲は平行調と行き来することが大半であるため、曲の始め、または終わりが平行調のトニック・メジャーであるケースも少なくない。

トニック・マイナーは、メロディや曲想によって Im7Im6Immaj7 のいずれかとなる。 また、前後のコードによって対応するスケールが決まることもある。

ただし、メロディ等によっていずれかに決められない場合もあり、そのようなときは、私は単に Im と書いて奏者に選択を任せる方法を提案したい。

Im7 は、ナチュラル・マイナー・スケールの、また Im6Immaj7メロディック・マイナー・スケールの1度のダイアトニック・コードである(Immaj7ハーモニック・マイナー・スケールの1度のダイアトニック・コードということもできる)。

トニック・マイナーに対応するスケールは、Im6Immaj7の場合はアイオニアン♭3、また Im7 の場合はエオリアンまたはドリアンである。

トニック・マイナーは、トニック・メジャーと同様、およそどのコードへも進行することができるとされる。

トニック・マイナーの直前に来る主なコードとして、ドミナント V7サブドミナント・マイナー IVm7 とその代理 ♭VII7 などをあげることができる。

また、トニック・マイナーの主な代理コードに、VIm7(♭5)♭VImaj7IV7 がある。