ピボット

提供:コード辞典
2024年9月21日 (土) 09:40時点におけるNaoki Yoshioka (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「転調の手法のひとつ。 転調の際、あるコードが、転調前と転調後の両方のキーにおいてそれぞれ明確な和声的機能をもつことがある。このような転調技法のことをいい、また、このようなコードをピボット・コードということがある。 例えば、''All The Things You Are''(Jerome Kern)や''Fly Me To The Moon''(Bart Howard)の冒頭は、マイナー・キー…」)
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転調の手法のひとつ。

転調の際、あるコードが、転調前と転調後の両方のキーにおいてそれぞれ明確な和声的機能をもつことがある。このような転調技法のことをいい、また、このようなコードをピボット・コードということがある。

例えば、All The Things You Are(Jerome Kern)やFly Me To The Moon(Bart Howard)の冒頭は、マイナー・キーから平行調メジャー・キーに転調している。 このとき2小節目のマイナー・セブンス・コードは、転調前のマイナー・キーで考えるとサブドミナント・マイナー [IVm7]] であるが、転調後の平行調で考えるとドミナントの[[関係コード] IIm7 である。 このように、2小節目のコードが転調の前後でそれぞれ明確な和声的機能を持つことを利用して、スムーズな転調が行われていると考えることができる。

また、3小節目のコードについても、転調前はサブドミナント・マイナー代理 ♭VII7、 転調後の平行調ではドミナント V7 であり、それぞれ明確な機能をもつ。 よって、2小節目から3小節目にかけてピボットによる転調が行われていると考えることができる。

このように、ピボットは、必ずしも1つのコードではなく、2個程度の連続したコードで成立していることもある。