メロディック・メジャー・スケール

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メジャー・スケールの一種で、ジャズでは上行形と下行形を区別しない。 なお、このスケールは、メロディック・マイナー・スケールの第5モードに相当する。

メロディック・メジャー・スケールの各モードは、そのキーメジャー・キー)のサブドミナント・マイナーに関連するものが多い。

メロディック・メジャー・スケールの各モードは次の通り(スケール名の別名も示した)。

番号 名称 構成 備考
1 エオリアン♯3 1 2 3 4 5 ♭6 ♭7 メロディック・メジャー・スケール、ミクソリディアン♭6
2 ロクリアン♯2 1 2 ♭3 4 ♭5 ♭6 ♭7 エオリアン♭5
3 [[オルタード|オルタード・スケール] 1 ♭2 ♭3 ♭4 ♭5 ♭6 ♭7 スーパー・ロクリアン異名同音に寛容。
4 [アイオニアン♭3] 1 2 ♭3 4 5 6 7 メロディック・マイナー・スケール
5 ドリアン♭2 1 ♭2 ♭3 4 5 6 ♭7 実用的に使われる機会はほとんどない。
6 リディアン♯5 1 2 3 ♯4 ♯5 6 7 リディアン・オーグメント。
7 ミクソリディアン♯4 1 2 3 ♯4 5 6 ♭7 リディアン♭7、リディアン・ドミナント

ダイアトニック・コードは次の通り。

3番目のダイアトニック・コードを機械的につくればハーフ・ディミニッシュ・コードができる。 ところが、第3モードのオルタード・スケールは、ハーフ・ディミニッシュ・コードではなく、ドミナント・セブンス・コードに対応するスケールのひとつである。 したがって、私は、3番目のダイアトニック・コードを III7alt とした。

メロディック・メジャー・スケールのすべてのダイアトニック・コードが実用的だということではない。 キーとの関係で重要なのは、[[[IIm7(♭5)|IIm7(♭5)]]、III7altIVmmaj6IVm6♭VII7である。

これらのコードの主な和声的機能は次の通り。

IIm7(♭5)
ドミナント関係コードサブドミナント・マイナー代理
III7alt
VIへのドミナント、サブドミナント・メジャー IVmaj7IV6)へのセカンダリ・ドミナント I7 の代理コード
IVmmaj7IVm6
メジャー・キーのサブドミナント・マイナー
♭VII7
サブドミナント・マイナー代理

メジャー・キーのサブドミナント・マイナーは原則として IVm7 ではなく IVmmaj7 または IVm6 である。 これはそのキーに対応するメロディック・メジャー・スケールのダイアトニック・コードであって平行調からの借用和音ではない(そもそも平行調の4度のダイアトニック・コードに IVmmaj7IVm6 は存在しない)。

また、サブドミナント・マイナー代理の IIm7(♭5)♭VII7 もメロディック・メジャー・スケールのダイアトニック・コードであり、スケールもそのまま対応する。

このように、メロディック・メジャー・スケールは、メジャー・キーのサブドミナント・マイナーの根拠となる重要なスケールである。