♭VI7
このほか、メジャー・キーにおいて、IIm7 に半音下行する ♭IIIm7 の代理コードや後置される関係コード、トニック・ディミニッシュ ♭IIIdim7 を置き換える ♭IIIm7 の関係コードとなることもある。
対応するスケールは原則として、ダブルドミナントのトライトーン代理はミクソリディアン♯4またはミクソリディアン、♭IIIm7 の代理コードまたは関係コード機能するときはミクソリディアンとなる。
ダブル・ドミナント II7 のトライトーン代理の ♭VI7
ダブル・ドミナント II7 のトライトーン代理 ♭VI7 は、メジャー・キー、マイナー・キーの双方において使われることがある。 スケールは、一般にミクソリディアン♯4であるが、♭IIIm7 が関係コードとして先行するときはミクソリディアンとなっていることが多いと思われる。
マイナー・キーのダブル・ドミナントは、II7 よりも ♭VI7 が好まれる傾向がある。
また、メジャー・キーのいわゆる「トゥ・ファイブ」、すなわち IIm7-V7 において、V7 の前半のメロディが階名「レ」のとき、 ♭VI7 に置き換えられることがある。 これは、メロディの階名「レ」が、V7 に対する完全5度のコード・トーンであるのに対し、♭VI7 に対しては増11度のテンションにあたるので、よりリッチで面白いサウンドになるからであろう。 なお、この処理はテーマのときだけで、ソロでは IIm7-V7 に戻されて演奏されることも少なくない。
このような例として、次の曲をあげることができる。
- I'll Close My Eyes(Billy Reid)の29-30小節目
IIm7 に半音下行する ♭IIIm7 の関係コードまたは代理コード
メジャー・キーにおいて、 ♭VI7 は、IIm7 に半音下行する ♭IIIm7(記事)の関係コードとして しばしば後置されることがある。 このとき、対応するスケールは、ミクソリディアンである。
また、♭VI7 が代理コードとして、この ♭IIIm7 全体を置き換えることも可能である。 ただし、♭VI7 のアボイドである階名「レ♭」に注意する必要がある。
トニック・ディミニッシュ ♭IIIdim7 を置き換える ♭IIIm7 の関係コード
メジャー・キーにおいて、♭VI7 は、トニック・ディミニッシュ ♭IIIdim7 を置き換える ♭IIIm7(記事)に対して後置されることがある。 このとき、対応するスケールは、ミクソリディアンである。