♭VIdim7

提供:コード辞典
2024年10月13日 (日) 14:39時点におけるNaoki Yoshioka (トーク | 投稿記録)による版

IIdim7IVdim7VIIdim7 とともに、私はサブドミナント・ディミニッシュだと考えている。 サブドミナントとは4度の気取ったいい方なので、「サブドミナント・ディミニッシュ」とは、「4度(をルートとする)ディミニッシュ(・コード)」、すなわち IVdim7 であるが、同じ和声的機能を持つ転回形も含める。

♭VIdim7 について、私は、ハーモニック・メジャー・スケールハーモニック・マイナー・スケールの6度のダイアトニック・コードだと考えている。 これらのスケールの6度から機械的にダイアトニック・コードをつくると、それぞれ ♭VImaj7(♯5)'♭VImmaj7(♯5) ができる。 ところが、これらのスケールの第4モードであるリディアン♯2♯5リディアン♯2は、メジャー・セブンス・♯5・コードマイナー・メジャー・セブンス・♯5・コードに対する実用的なスケールとはいえない。 一方、リディアン♯2♯5やリディアン♯2を注意深く観察するとそれぞれディミニッシュ・スケールが含まれていることに気づく。 したがって、私はハーモニック・メジャー・スケールとハーモニック。マイナー・スケールの6度のダイアトニック・コードは ♭IVdim7 だと考える。

これらのことから、♭VIdim7 に対応するスケールとして、メジャー・キーの場合はリディアン♯2♯5が、またマイナー・キーの場合はリディアン♯2が考えられるものの、実際にはテーマメロディのときに限定されるのであって、ソロのときはディミニッシュ・スケールが対応すると考えてよいだろう。 また、テーマのときであってもディミニッシュ・スケールが対応することもあるだろう。

♭VIdim7 は、実質的に V7(♭9)/♭VI であることが多い。 したがって、和声的機能はドミナント V7代理コードである。

メジャー・キーにおけるドミナント代理 ♭IVdim7

♭VIdim7 は、ドミナント V7代理コードである。

メジャー・キーの ♭VIdim7 に対応するスケールは、原則としてディミニッシュ・スケールと考えてよいが、テーマのときに限りリディアン♯2♯5の場合もあるだろう。

♭VIdim7 に対応するディミニッシュ・スケール、リディアン♯2♯5は、それぞれ V7(♭9) に対応する半音-全音ディミニッシュ・スケールミクソリディアン♭2とすべてのが共通している。

メジャー・キーの ♭VIdim7 には次のような例がある。

  • Wave(Antônio Carlos Jobim)の2小節目。サブドミナントへのセカンダリ・ドミナント I7 へのドミナント V7 の代理コードであろう。メロディは、ディミニッシュ・スケールともリディアン♯2♯5ともどちらとも考えられる。

メジャー・キーにおけるドミナント代理 ♭IVdim7

♭VIdim7 は、ドミナント V7代理コードである。

マイナー・キーの ♭VIdim7 に対応するスケールは、原則としてディミニッシュ・スケールと考えてよいが、テーマのときに限りリディアン♯2の場合もあるだろう。

♭VIdim7 に対応するディミニッシュ・スケール、リディアン♯2は、それぞれ V7(♭9) に対応する半音-全音ディミニッシュ・スケールフリジアン♯3とすべてのが共通している。