IV7

提供:コード辞典
2024年10月16日 (水) 10:33時点におけるNaoki Yoshioka (トーク | 投稿記録)による版

メロディック・マイナー・スケールの4度のダイアトニック・コードである。 また、マイナー・スケールとしてのドリアンの4度のダイアトニック・コードと考えることもできるだろう。

対応するスケールは、ミクソリディアン♯4ミクソリディアンで、それぞれ、メロディック・マイナー・スケールとマイナー・スケールとしてのドリアンの第4モードにあたる。

マイナー・キーにおける和声的機能トニック・マイナー代理や関係コードである。

また、IV7メジャー・キーでもしばしば使われ、同主調のトニック・マイナー代理、ブルージーサブドミナント・メジャーIII へのドミナント VII7トライトーン代理などの和声的機能をもつ。

メジャー・キーにおいても、対応するスケールは、原則としてミクソリディアン♯4またはミクソリディアンであることが多い。

トニック・マイナーの代理や関係コードとしての IV7

主にマイナー・キーにおいて、IV7 は、トニック・マイナー Im代理コードである。 加えて、メジャー・キーにおける IV7同主調のトニック・マイナー Im の代理コードである場合がある。 対応するスケールは、ミクソリディアン♯4またはドリアンであるが、メジャー・キーにおける同主調のトニック・マイナーの代理コードのときはミクソリディアンであることもある。 特に、IV7 が短7度上のメジャー・キーのドミナント V7 とピボットになっている場合はミクソリディアンが好まれる。

さらに、マイナー・キーでは、IV7 がトニック・マイナー Im関係コードとして後置されることがある。 このとき対応するスケールは、先行するトニック・マイナーが Immaj7 または Im6 のときにはミクソリディアン♯4、また Im7 のときはミクソリディアンである。 Im7 に対応するスケールは、エオリアンとドリアンのいずれかであるが、IV7 が関係コードとして後置されるときはドリアンであることが多い。 したがって、先行する Immaj7Im6 に対応するアイオニアン♭3とそれに後置される IV7 に対応するミクソリディアン♯4のペアと、Im7 に対応するドリアンとそれに後置される IV7 に対応するミクソリディアンのペアは、それぞれスケールのがすべて共通していることになる。

トニック・マイナー代理 IV7 は、しばしば Imリハーモナイズする際に好まれる。 例えば、マイナー・キーのエンディングで最後のトニック・マイナーを ImIV7 に置き換えることがある。また、Chelsea Bridge(Billy Strayhorn)の1小節目、3小節目前半の Immaj7Im6)を IV7 に置き換えて演奏することもある(この場合、2小節目、3小節目前半の ♭VIImaj7 または ♭VIIm6♭III7 に置き換える)。 いずれの場合も IV7 に対応するスケールとしてミクソリディアン♯4が好まれ、VI7(♯11) と表記されることが多い。

ブルージーなサブドミナント・メジャー IV7

メジャー・キーにおけるサブドミナント・メジャーは、IVmaj7IV6 である。 ところが、ブルージーな楽曲であったり、ブルース・フィーリングを感じさせるフレーズが使われるときには、これらのメジャー・コードに代わってドミナント・セブンス・コードIV7 が使われることがある。

  • 12小節のブルース形式の2小節目や5-6小節目
  • God Bless The Child(B. Holiday, A. Herzog Jr.)の1小節目後半
  • Lover Man(J. Davis, R. Ramirez, J. Sherman)の5小節目

ブルージーなサブドミナント・メジャー IV7 の前後のコード進行は、サブドミナント・メジャー IVmaj7 に準ずる。

対応するスケールは、基本的にはミクソリディアンであるが、特にソロにおいては、さまざまなスケールが対応する。

VII へのドミナント III7 のトライトーン代理 IV7

主にメジャー・キーにおいて、IV7 が、 VII へのドミナント III7トライトーン代理である場合がある。 トニック・メジャー代理IIIm7VI7 に先行する関係コード IIIm7IIIm7(♭5) へのセカンダリ・ドミナントのほか、エクステンデッド・ドミナントの一環をなしている場合も少なくない。

関係コードとして、Im7 が先行する場合もあるが、先行しないケースも少なくない。

対応するスケールは、ミクソリディアンミクソリディアン♯4の場合がほとんどである。

  • There Is No Greater Love(Isham Jones)の2小節目(以降エクステンデッド・ドミナントをなす)