Im7-♭VIIm7-♭III7-♭VImaj7=VIm7-Vm7-I7-IVmaj7

Im7-IV7-♭VIIm7-♭III7-♭VImaj7=VIm7-II7-Vm7-I7-IVmaj7 についても説明する。

Im7
VIm7	Vm7	I7	IVmaj7

これには次のバリエーションがある。

Im7	IV7
VIm7	II7	Vm7	I7	IVmaj7

これらは次のように説明できる。

転調前

• Im7：トニック・マイナー
• IV7：トニック・マイナー代理で Im7 に後置される関係コード。Im7-IV7 全体でトニック・マイナーと考える。

転調後

• VIm7：単独では和声的機能が明確に確定できるわけではないが、直後に II7 が置かれると V へのドミナント II7 に先行する関係コードであることが明確である。
• II7：ダブル・ドミナントであるが、この場合は単に V へのドミナントと考えることができる。後者の進行では VIm7-II7 全体で V へのドミナントと考えてよい。
• Vm7-I7：IV へのセカンダリ・ドミナント
• IVmaj7：サブドミナント・メジャー

前者の進行では、転調先の VIm7 のもつ和声的機能が不確定なため、どのコードにでも進行できるという転調前のトニック・マイナー Im7 が転調先の Vm7-I7 に進行することができる。 また、Im7-♭VIIm7（VIm7-Vm7）が全音下行進行していることにも注意。

後者の進行では、転調前のトニック・マイナー Im7-IV7 と転調後の IV へのセカンダリ・ドミナント Vm7-I7 とのピボットであることが明白だといえる。

このような進行の例として次のような曲をあげることができる。

• I'll Close My Eyes（Billy Reid）の5-9小節目
• There Will Never Be Another You（Harry Warren）の5-9小節目（6小節目4拍目のメロディがアボイドにあたるのを嫌って ♭III7（I7）が省略される傾向にある。