♭IIIdim7
キーに関わらず、♯IIdim7 と表記されることもある。
広義のトニック・ディミニッシュで、対応するスケールは、ディミニッシュ・スケールである。 狭義のトニック・ディミニッシュ Idim7 の第1転回形にあたるが、♯IVdim7 や VIdim7 も含めて、和声的機能や対応するスケールに本質的な違いはなく、ベース音によってコード・シンボルが決まっていると考えればよいだろう。
トニック・ディミニッシュ ♭IIIdim7
トニック・ディミニッシュ ♭IIIdim7(♯IIdim7)は、メジャー・キーで使われることが多く、主に次のような進行で使われる。
- トニック・メジャー(代理コードを含む)とサブドミナント・メジャーだりをつなぐ。
- Imaj7-♭IIIdim7-IIm7、IIIm7(I/III)-♭IIIdim7-IIm7
- サブドミナント・メジャー代理とトニック・メジャー(代理コードを含む)をつなぐ。
- IIm7-♯IIdim7-IIIm7(I/III)
- ダブル・ドミナントとトニック・メジャー(代理コードを含む)をつなぐ。
- II7-♯IIdim7-IIIm7(I/III)
- トニック・メジャーとトニック・メジャー(それぞれ代理コードを含む)をつなぐ。
- IIIm7(I/III)-♯IIdim7-IIIm7(I/III)
- サブドミナント・メジャーとサブドミナント・メジャー(それぞれ代理コードの IIm7)をつなぐ。
- IIm7-♭IIIdim7-IIm7
トニック・ディミニッシュの代理コードに、VII7 がある。 このとき、VII7 に対応するスケールは、半音-全音ディミニッシュ・スケールであり、これは ♭IIIdim7 に対応するディミニッシュ・スケールとすべての音が共通である。
トニック・ディミニッシュ代理の VII7 にはしばしば関係コードが先行して ♯IVm7-VII7 または ♯IVm7(♭5)-VII7 となることも多い。
ダブル・ドミナント II7 がトニック・ディミニッシュと関係が深い場合がある。 例えば、こんにち ’S Wonderful'(George Gershwin) の25-29小節目は、Imaj7-♭IIIdim7-IIm7 のように演奏することが多いと思われるが、この ♭IIIdim7 はもともと II7 であった。 なお、メジャー・キーの II7 は一般に半音-全音ディミニッシュ・スケールになるケースは珍しいので、それぞれのコードに対応するスケールのすべての音が共通しているわけではない。
IIm7 に進行する ♭IIIdim7 は、しばしば ♭IIIm7 (♭IIIm7-♭VI7 や ♭VI7 の場合もある)に置き換えられる。 詳しくは IIm7 に半音下行する ♭IIIm7を参照。
トニック・メジャー(代理コードを含む)とサブドミナント・メジャー代理をつなぐ ♭IIIdim7
Imaj7-♭IIIdim7-IIm7、IIIm7(I/III)-♭IIIdim7-IIm7 はいずれも、♭IIIdim7 がトニック・メジャー(代理コードを含む)とサブドミナント・メジャー代理 IIm7 をつないでいる。 IIm7 は、ドミナント V7 に先行する関係コードであっても構わない。
なお、Imaj7-♭IIIdim7-IIm7 はしばしば Imaj7-Idim7-IIm7 で演奏されることもある。
- Imaj7-♭IIIdim7-IIm7 の例
- Pennies From Heaven(Arthur Johnston)の1-3小節目
- I/III-♭IIIdim7-IIm7 の例
- Bewitched(Richard Rodgers)の5小節目-6小節目前半
- IIIm7-♭IIIdim7-IIm7 の例
- Everything Happens To Me(Matt Dennis)の3小節目-4小節目前半
サブドミナント・メジャー代理とトニック・メジャー(代理コードを含む)をつなぐ ♯IIdim7
IIm7-♯IIdim7-IIIm7(I/III)は、♯ IIdim7 がサブドミナント・メジャー代理 IIm7 とトニック・メジャーまたはその代理コードをつないでいる。 なお、IIm7 は、ドミナント V7 に先行する関係コードであっても構わない。
- IIm7-♯IIdim7-I/III の例
- IIm7-♯IIdim7-IIIm7 の例
=== ダブル・ドミナントとトニック・メジャー(代理コードを含む)をつなぐ ♯IIdim7 II7-♯IIdim7-IIIm7('''I/III''')は、♯IIdim7 がダブル・ドミナント II7 とサブドミナント・メジャー代理 IIm7 をつないでいる。 なお、IIm7 は、ドミナント V7 に先行する関係コードであっても構わない。
- II7-♯IIdim7-I/III の例
- There Will Never Be Another You(Harry Warren)の28小節目から29小節目前半(♯IVm7(♭5)-VII7-Imaj7 で演奏されることもある)
- II7-♯IIdim7-IIIm7 の例
- On Green Dolphin Street(Bronisław Kaper)の28小節目から29小節目前半(♯IVm7(♭5)-VII7-IIIm7 で演奏されることもある)
トニック・メジャーとトニック・メジャー(それぞれ代理コードを含む)をつなぐ ♯IIdim7
IIIm7(I/III)-♯IIdim7-IIIm7(I/III)は、♯IIdim7 がベース音が長3度のトニック・メジャー I/III7 またはトニック・メジャー代理どうしをつないでいる。
- IIIm7-♯IIdim7-IIIm7 の例
- 調査中
サブドミナント・メジャー代理とサブドミナント・メジャー代理をつなぐ ♭IIIdim7
IIm7-♭IIIdim7-IIm7は、♭IIIdim7 がサブドミナント・メジャー代理の IIm7 どうしをつないでいる。 なお、♭IIIdim7に続くIIm7 がドミナント V7 に先行する関係コードであっても構わない。
- 事例調査中