サブドミナント・マイナー

提供:コード辞典

サブドミナント・マイナーはマイナー・キーで使われる主要な和声的機能を持つコードのひとつ。 また、メジャー・キーで使われることも少なくない。

マイナー・キーのサブドミナント・マイナー

マイナー・キーで使われるサブドミナント・マイナーは原則としてマイナー・セブンス・コード IVm7 である。 これはナチュラル・マイナー・スケールの4度のダイアトニック・コードである。

多くのマイナー・キーの曲で使われるが、サブドミナント・メジャーが使われないマイナー・キーの曲も稀ではない。

マイナー・キーのサブドミナント・マイナーは、主にドミナント V7}、 トニック・マイナー Im7 または Immaj7Im6)とその代理コード IV7などに進行する。

また、直前に来る主なコードとして トニック・マイナー Im7 または Immaj7Im6)とその代理コード IV7、 サブドミナントへのセカンダリ・ドミナント I7、 ドミナント V7 などをあげることができる。

対応するスケールドリアンで、これはナチュラル・マイナー・スケールの第4モードである。

サブドミナント・メジャーの主な代理コードに、 ♭VII7 があり、IIm7(♭5) も関連が深い。

メジャー・キーのサブドミナント・マイナー

メジャー・キーで使われるサブドミナント・マイナーは原則として IVmmaj7 または IVm6 である。 これはメロディック・メジャー・スケールの4度のダイアトニック・コードであって、いわゆる借用和音ではない。 このとき、対応するスケールはアイオニアン♭3、すなわちメロディック・マイナー・スケールであるが、これはメロディック・メジャー・スケールの第4モードである。

なお、メジャー・キーであってもサブドミナント・マイナーが IVm7 となる場合もある (例えば、Night And Day (Cole Porter)の14小節目)。 このときは、同主調からの借用和音と考えられる。

サブドミナント・マイナーが使われるメジャー・キーは少なくない。 多くの場合、直前はサブドミナント・メジャー IVmaj7IV6) あるいはその代理コード IIm7VIm7 であることが多い。 また、直後はトニック・メジャー Imaj7I6)あるいはその代理コード IIIm7 などに進行することがほとんどである。

メジャー・キーのサブドミナント・マイナー代理コードとして、 ♭VII7 がもっともよく使われる。 また、IIm7(♭5) も関連が深い。 いずれもそのキーのメロディック・メジャー・スケールが根拠となる。