異名同音
提供: ジャズコード辞典
G♯とA♭のように、異なる音名であるにもかかわらず実際には同じピッチの音の関係。
すべての異名同音の関係を以下の表に示す。
| C | D | E | F | G | A | B | |||||
| B♯ | C♯ | D♯ | E♯ | F♯ | G♯ | A♯ | |||||
| D♭ | E♭ | F♭ | G♭ | A♭ | B♭ | C♭ | |||||
| B𝄪 | C𝄪 | D𝄪 | E𝄪 | F𝄪 | G𝄪 | A𝄪 | |||||
| D𝄫 | E𝄫 | F𝄫 | G𝄫 | A𝄫 | B𝄫 | C𝄫 |
異名同音は原則として区別される。 すなわち、キーに対応する各種メジャー・スケールやマイナー・スケールをはじめ7音からなるスケールは、原則として7つのアルファベットをすべて使って表現する必要がある。
しかし、例外的に以下のような場合には例外的に区別されないことがある。
- コードのルートが、そのキーに対応するスケール上にないときのメロディやコード等。
- 転調の前後、あるいは一時的に転調しているときにおいて、異名同音に忠実になることで音符やコード・シンボルが著しく読みづらくなるなど、やむを得ない事情があるとき。
- 以下のスケールに対応するメロディやコード。
- コードの変化音の♯5(増5度)。メジャー・セブンス・♯5・コードの一部と、マイナー・セブンス・♯5・コード、マイナー・メジャー・セブンス・♯5・コードにおける増5度の音は、実質的には短6度である(異名同音的音程)。
- アッパー・ストラクチャー・トライアド。
- ブルー・ノート
メジャー・スケールやマイナー・スケールなどの表記
英語の音名で使われるアルファベットはA〜Gの7文字である。これは、メジャー・スケールやマイナー・スケールのような、西洋音楽の基本的なスケールが伝統的に7音から構成されていることの由来すると考えられる。
したがって、各種メジャー・スケールとマイナー・スケールは、A〜Gのアルファベットをすべて1度ずつ使って表記するのが原則である。C♭やE♯、あるいは、ダブル・シャープやダブル・フラットのつく音名がなぜ存在するのかという疑問を持つ方も少なくないかと思われるが、このような表記なしに、すべてのメジャー・スケールやマイナー・スケール(特に、ハーモニック・マイナー・スケールなど)をA〜Gを1度ずつ使って表記することは不可能である。
ジャズでは、上のように異名同音に比較的寛容な状況もあることは事実だが、原則として異名同音を厳密に区別する習慣を身につけておくことが望ましいと考える。