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Naoki Yoshioka (トーク | 投稿記録) ページの作成:「ドミナント '''V7''' にその関係コード '''IIm7''' が先行した形。 このコード進行は、いわゆる「トゥ・ファイブ」と呼ばれ、ジャズでもっとも有名な進行のひとつ。 おもにメジャー・キーの大半の曲で使われるが、マイナー・キーも使われることもある。 それぞれのコードの和声的機能と対応するスケールは次の通り…」 |
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2024年10月16日 (水) 10:27時点における最新版
ドミナント V7 にその関係コード IIm7 が先行した形。 このコード進行は、いわゆる「トゥ・ファイブ」と呼ばれ、ジャズでもっとも有名な進行のひとつ。 おもにメジャー・キーの大半の曲で使われるが、マイナー・キーも使われることもある。
- IIm7
- ドミナント V7 に先行する関係コード。ドリアン。
- V7
- ドミナント。メジャー・キーではミクソリディアン、ミクソリディアン♭2、オルタード・スケール、ホール・トーン・スケールなど。マイナー・キーでは、フリジアン♯3やオルタード・スケールなど。
メジャー・キーの IIm7-V7
したがって、サブドミナント・メジャー IVmaj7、サブドミナント・マイナー IVmmaj7(IVm6)とその代理コード ♭VII7、ダブル・ドミナント II7 とその代理コード ♭VI7 などから進行しやすい。
特に、ダブル・ドミナント IIm7 から、IIm7-V7 に進行できるのは、IIm7 がサブドミナント・メジャー代理というよりは、IIm7-V7 全体がドミナントの和声的機能を持っているからであろう。
また、多くは、トニック・メジャー Imaj7 やその代理コード IIIm7 に進行するが、それ以外のコードに進行する場合もある。
IIm7-V7 と ♭IIIm7-♭VI7-IIm7-V7
IIm7-V7 が ♭IIIm7-♭VI7-IIm7-V7に置き換えられることがある。
これは、リハーモナイゼーションの常套テクニックであり、演奏中に突発的に行われることがある。
もともとIIm7 だったところが ♭IIIm7-♭VI7 に置き換えられる。 置き換え前の IIm7 はドリアンである。 他方、置き換え後の ♭IIIm7 はドリアンで ♭VI7 はミクソリディアンで、これらは構成される音がまったく共通である。
II ドリアンと ♭III ドリアンの共通音は、階名「ファ」と「ド」である。 よって、テーマ部分では、少なくとも IIm7 だった箇所のメロディがこれらの2つの音である場合にこのリハーモナイゼーションが行われることになる(リハーモナイゼーションのためにメロディが変更されるような例外もあるけれども)。
実際には、次のケースのようにメロディが階名「ファ」の音がのばされているような場面でこのリハーモナイゼーションが行われることが多い。
- Have You Met Miss Jones?(Richard Rodgers)の7-8小節目
- There Will Never Be Another You(Harry Warren)の15-16小節目
マイナー・キーの IIm7-V7
マイナー・キーの「トゥ・ファイブ」は一般に IIm7(♭5)-V7 が使われる。
しかし、主にメロディとの関係からマイナー・キーにおいても IIm7-V7 が使われるケースもある。
- Beautiful Love(W. King, V. Young, E. Van Alstyne)の8小節目
- The Shadow Of Smile(Johnny Mandel)の1--2小節目