「ドミナント・セブンス・コード」の版間の差分

提供:コード辞典
編集の要約なし
編集の要約なし
52行目: 52行目:
: [[サブドミナント・マイナー]]代理。マイナー・キーの場合ミクソリディアン、メジャー・キーの場合はミクソリディアン♯4を原則とする。
: [[サブドミナント・マイナー]]代理。マイナー・キーの場合ミクソリディアン、メジャー・キーの場合はミクソリディアン♯4を原則とする。
; '''[[IV7]]'''
; '''[[IV7]]'''
: マイナー・キーにおける[[トニック・マイナ]]ー代理で、ミクソリディアン♯4、またはミクソリディアンとなる。
: マイナー・キーにおける[[トニック・マイナー]]代理で、ミクソリディアン♯4、またはミクソリディアンとなる。
; '''[[VII7]]'''
; '''[[VII7]]'''
: 主にメジャー・キーにおいて[[トニック・ディミニッシュ]]代理。このとき半音-全音ディミニッシュ・スケールとなる。
: 主にメジャー・キーにおいて[[トニック・ディミニッシュ]]代理。このとき半音-全音ディミニッシュ・スケールとなる。

2024年9月28日 (土) 00:20時点における版

ルート、長3度、完全5度、短7度をコード・トーンに持つが、完全5度のコード・トーンは省略されたり変更されたりするケースも少なくない。 その場合であってもドミナント・セブンス・コードの持つ和声的機能にはほとんど影響を及ぼさない。 よって、当サイトではこのようなコードもドミナント・セブンス・コードとして説明する。

コード・シンボルは、ルートの音名7 を付ける。

ドミナント・セブンス・コードに対応するスケールとテンション

ドミナント・セブンス・コードは対応するスケールが最も多く9種類ある(以下の表を参照)。 しかし、これらのスケールのうちスケール名を括弧に入れた3種類はテーマメロディ)において現象としてそのようになっているだけであり、ソロで想定すべきスケールはそれ以外の6種類に絞られる。

グループ スケール名 スケールとテンションアボイド 備考
9、13 ミクソリディアン 1 2(9) 3 4(アボイド) 5 6(13) ♭7
9、13 ミクソリディアン♯4 1 2(9) 3 ♯4(♯11) 5 6(13) ♭7
♭9、♭13 フリジアン♯3 1 ♭2(♭9) 3 4(アボイド) 5 ♭6(♭13) ♭7
♭9、♭13 オルタード♯5 1 $♭2(♭9) ♯2(♯9) 3 5 ♭6(♭$13) ♭7 異名同音に寛容
♭9、♭13 オルタード 1 ♭2(♭9) ♯2(♯9) 3 ♯11(♯11) ♭6(♭13) ♭7 5度省略、異名同音に寛容
9、♭13 エオリアン♯3 1 2(9) 3 4(アボイド) 5 ♭6(♭13) ♭7
9、♭13/♯5 ホール・トーン 1 2(9) 3 ♯4(♯11) ♯5 ♭7 増5度、異名同音に寛容
♭9、13 ミクソリディアン♭2 1 ♭2(♭9) 3 4(アボイド) 5 6(13) ♭7
♭9、13 半音-全音ディミニッシュ 1 ♭2(♭9) ♯2(♯9) 3 ♯4(♯4) 5 6(13) ♭7 異名同音に寛容

また、ミクソリディアンとミクソリディアン♯11、それにフリジアン♯3とオルタード・♯5・スケールとオルタード・スケールはサウンドや使われる場面がよく似ている。 それぞれ共通のテンション、すなわち、9と13、♭9と♭13を持つ。 したがって、これらのスケールを9度と13度のテンションの組み合わせで覚えるとよいだろう。

ドミナント・コードの主な和声的機能

ドミナント・セブンス・コードの主な和声的機能と対応するスケールは次の通り。

V7
ドミナント(プライマリ・ドミナント)。メジャー・キーではミクソリディアンかミクソリディアン♭2、マイナー・キーではフリジアン♯3(まれにエオリアン♯3)を原則とする。ただし、ホール・トーン・スケールやオルタード・スケールとなる場合もある。
♭II7
ドミナント V7トライトーン代理。一般に、リディアン♯4となる。
II7
ダブル・ドミナント。メジャー・キーでは原則ミクソリディアンまたはミクソリディアン♯4、マイナー・キーではフリジアン♯3かオルタードになる。しかし、メジャー・キーにおいてもブルージーなサウンドに対してはオルタードとなるケースがある。
♭VI7
ダブル・ドミナント II7 のトライトーン代理で、特にマイナー・キーで好まれる傾向にある。どちらのキーにおいても原則としてミクソリディアン♯4。
♭VII7
サブドミナント・マイナー代理。マイナー・キーの場合ミクソリディアン、メジャー・キーの場合はミクソリディアン♯4を原則とする。
IV7
マイナー・キーにおけるトニック・マイナー代理で、ミクソリディアン♯4、またはミクソリディアンとなる。
VII7
主にメジャー・キーにおいてトニック・ディミニッシュ代理。このとき半音-全音ディミニッシュ・スケールとなる。

このほか、セカンダリ・ドミナントエクステンデッド・ドミナントなどさまざまな場面で使われる。