ハーフ・ディミニッシュ・コード

提供:コード辞典
2024年9月21日 (土) 06:49時点におけるNaoki Yoshioka (トーク | 投稿記録)による版

ルート、短3度、減5度、短7度をコード・トーンに持つ。 コード・シンボルは、音名m7(♭5) を付ける。

マイナー・セブンス・コードのコード・トーンの完全5度を半音下げたコードで、コード・シンボルもマイナー・セブンス・コードを変化させたような書き方であるが、独立したコードと考えるほうがよいだろう。

また、名称について、5度までのコード・トーンがディミニッシュ・トライアドであること以外、ディミニッシュ・コードと特に深い関係があるわけではない。

ハーフ・ディミニッシュ・コードに対応するスケールとテンション

ハーフ・ディミニッシュ・コードに対応するスケールは、主としてロクリアンロクリアン♯2の2つである。 また、テーマのメロディによってはロクリアン♯6ドリアン♭5になることもあるが、ソロで想定されることはまずない。 よって、ロクリアンとロクリアン♯2を覚えておけばよい。

ロクリアンやロクリアン♯6の短2度はアボイドである(短9度がテンションとして認められるのはドミナント・セブンス・コードに限られる)。

また、ハーフ・ディミニッシュ・コードがドミナント・セブンス・コード関係コードとして先行するとき、一般にロクリアン♯6やドリアン♭5の長6度を内声の音に使うことは避けられる(広義のアボイド)。

ロクリアンやロクリアン♯2の短13度は無条件にテンションとして使うことができる。

完全11度と、ロクリアン♯2やドリアン♭5がこのコードに対応するときの9度のテンションは、トップ・ノートがそれぞれコード・トーンの減5度、短3度のときには原則として使うことができない。 なぜなら、トップ・ノートとの間に短9度音程が生じるからである。

ロクリアン
1 ♭2(アボイド) ♭3 4(11) ♭5 ♭6(♭13) ♭7
ロクリアン♯2
1 2(9) ♭3 4(11) ♭5 ♭6(♭13) ♭7
(ロクリアン♯6)
1 ♭2(アボイド) ♭3 4(11) ♭5 6(13) ♭7
(ドリアン♭5)

1 2(9) ♭3 4(11) ♭5 6(13) ♭7

ハーフ・ディミニッシュ・コードの主な和声的機能

マイナー・セブンス・コードの主な和声的機能と対応するスケールは次の通り。

|IIm7(♭5)
ドミナント V7 の関係コード。原則として、マイナー・キーではロクリアン、メジャー・キーではロクリアン♯2となるが、メロディによっては、メジャー・キーではドリアン♭5、マイナー・キーではロクリアン♯6となっていることもある。
♯IVm7(♭5)
メジャー・キーにおけるトニック・ディミニッシュ代理 VII7 に先行する関係コード。または、ダブル・ドミナント II7代理。ロクリアン、ロクリアン♯2のいずれかが対応するが、トニック・ディミニッシュ代理@sansserif{VII7}の関係コードではどちらかといえばロクリアン♯2が好まれる。
VIm7(♭5)
マイナー・キーにおけるトニック・マイナー代理。スケールはロクリアン♯2。
VIIm7(♭5)
メジャー・キーのダイアトニック・コードIII7 の関係コードとしてあらわれる。平行調の IIm7(♭5)のケースも少なくない。ロクリアン。

上記以外に、さまざまなドミナント機能を持つドミナント・セブンス・コードの関係コードとして先行する場合があり、主にロクリアンが対応する。