マイナー・シックスス・コード

提供:コード辞典
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マイナー・コードの一種で、ルート、短3度、完全5度、長6度をコード・トーンに持つ。 コード・シンボルは、音名m6 を付ける。

原則としてマイナー・メジャー・セブンス・コードと同じ性質を持つ。 よって、以下、マイナー・メジャー・セブンス・コードについても述べる。

マイナー・シックスス・コードとマイナー・メジャー・セブンス・コードに対応するスケールとテンション

マイナー・シックスス・コードとマイナー・メジャー・セブンス・コードに対応するスケールは、アイオニアン♭3で、これはメロディック・マイナー・スケールである(ジャズでは原則的に上行形と下行形を区別しない)。 ただし、マイナー・シックスス・コードに限り、ドリアンが対応する場合がある。

11度のテンションは無条件に使うことができる。

また、アイオニアン♭3が想定されるとき、マイナー・メジャー・セブンス・コードにおいて、13度のテンションは無条件に使うことができる。

トップ・ノートが短3度のときには長9度のテンションを原則として使うことができない。 なぜなら、トップ・ノートと短9度音程が生じるからである。

トップ・ノートがルートのときにはマイナー・メジャー・セブンス・コードは原則としてマイナー・シックスス・コードで演奏される。 なぜならコード・トーンの長7度とトップ・ノートで短9度(または短2度)音程が生じるからである。 また、一般にトップ・ノートがルートでないとき、マイナー・シックスス・コードに代えてマイナー・メジャー・セブンス・コードを演奏することができる。

ドリアンを想定するマイナー・シックスス・コードでは、短7度の音をトップ・ノートにすることはできない。なぜなら、コード・トーンの長6度と短9度音程を作るからである。 このようなときには、マイナー・シックスス・コードに代えてマイナー・セブンス・コードが選択されるべきであろう。

モード名 構成 備考
アイオニアン♭3 1 2(9) ♭3 4(11) 5 6(13) 7
ドリアン 1 2(9) ♭3 4(11) 5 6(13) ♭7 マイナー・シックスス・コードのみ

マイナー・シックスス・コードとマイナー・メジャー・セブンス・コードの主な和声的機能

マイナー・シックスス・コードおよびマイナー・メジャー・セブンス・コードの主な和声的機能と対応するスケールは次の通り。

Im6Immaj7
トニック・マイナー(一時的な転調も含む)。対応するスケールはアイオニアン♭3。トニック・マイナーには、ほかに Im7 が使われることがあり、その場合はエオリアンまたはドリアンとなる。
IVm6IVmmaj7
メジャー・キーにおけるサブドミナント・マイナー。対応するスケールはアイオニアン♭3。ただしマイナー・キーのサブドミナント・マイナーはドリアンとなり、原則としてIVm7 となるが、まれにIVm6 が好まれることもある。また、メジャー・キーであってもメロディによってはドリアンの場合もあり、この場合、コードは IVm7 となる。