コード
2つ以上のピッチ・クラス名を持つ楽音が同時に演奏された状態と定義することもできるが、実際はより組織的に使われる。
また、ジャズの演奏では、例えば無伴奏の管楽器のソロのように、単旋律で演奏されているような場合であってもコードを想定することもできるだろう。
ジャズにおけるコード
西洋音楽では伝統的に、コードは3音からなるトライアド(三和音)を基本としていた。 ところが、こんにち即興音楽であるジャズではすべてのコードを原則として4つの音から成り立つテトラド(四和音)とみなす。
ジャズで使われるすべてのコードは、基本的には以下の5つのコードのいずれか、あるいはいずれかが変化したものだと考えることができる。
コードの構造
コードは、コード・トーン、テンション、ベース音から成り立っている。
コード・トーンはコードを成する音で、テトラド(四和音)は、その名の通り4つのコード・トーンを持つ。 このうち、コードの響きの中心となる音をルート(根音)という。 また、ルート以外のコード・トーンは、ルートからの音程(ルートからみて何度上にあるか)であらわす。
実際の演奏において、ピアニスト、ギタリストやアレンジャーは、コードの響きを豊かにしたり、あるいは微妙なニュアンスを加えたりするために、コード・トーン以外の音を1つあるいはいくつかコードに加えることがある。 これらの音をテンションという。
ベース(声部としてのベース)は、一般にコードのルートを演奏する。ジャズのベースラインも原則としてコードのルートを中心に構成される。ところが、コードのルート以外の音が声部としてのベースに割り当てられる場合がある。 このとき、ベース音を音名で指定する必要がある。 ベース音は、コード・トーンやテンションの音から選ばれることがほとんどであるが、まれにそれ以外の音が指定される場合もある。