I7

提供:コード辞典

メロディック・メジャー・スケールの1度のダイアトニック・コードではあるが、そのように意識されることはまずない。

サブドミナントへのセカンダリ・ドミナント I7

I7サブドミナントへのセカンダリ・ドミナントとして、メジャー・キーにおいては主にサブドミナント・メジャー IVmaj7IV6)に、またマイナー・キーにおいては主にサブドミナント・マイナー IVm7 に進行する。 もちろん、いずれのキーにおいてもそれ以外の IV をルートとする何らかのコードに進行することもあるだろう。

メジャー・キーでは、Imaj7-IVmaj7 の進行をよりスムーズにするために、Imaj7-I7-IVmaj7 となったと思われるケースもある。

同様にマイナー・キーでは、Im-IVm7Im-I7-IVm7 に変化したようなケースがある。

進行先が IV7 である場合、その先の展開によってはエクステンデッド・ドミナントである可能性もある。 しかし、進行先が IV7 であっても、それがブルージーサブドミナント・メジャー IV7 の場合、 I7セカンダリ・ドミナントである。

I7関係コードとして、メジャー・キーでは主に Vm7 が、またマイナー・キーでは主にVm7(♭5) が先行するが、これは大まかな傾向であってもちろん例外もある。

また、メジャー・キー、マイナー・キー問わず、ドミナント V7 から I7 に進行することがある。

対応するスケールは、メジャー・キーではミクソリディアンホール・トーン・スケール、マイナー・キーではフリジアン♯3オルタード・スケールとなるケースが多い。

ホール・トーン・スケールになるとき、I7(♯5)と表記される。

サブドミナントIV をルートとするコード)へのドミナント I7代理コードには、 トライトーン代理♭V7♯IV7)がある。 加えて、I7 がメジャー・キーにおいてサブドミナント・メジャー IVmaj7 に進行するセカンダリ・ドミナント である場合に限り、代理コードとして III7 もしばしば使われる。

ブルージーなトニック・メジャー I7

ブルージーな楽曲、特に、メロディブルー・ノートが使われているような場合には、トニック・メジャー Imaj7I6)の代わりに I7 がしばしば使われる。

また、ブルースの4小節目のように、ブルージーなトニック・メジャー I7 が同時にサブドミナントへのセカンダリ・ドミナントを兼ねていると見られるケースも少なくない。

スケールは、メロディソロによって変幻自在であるが、主に、ミクソリディアンミクソリディアン♯4オルタード・スケールが多い。また、半音-全音ディミニッシュ・スケールのこともある。

加えて、ソロを全音-半音ディミニッシュ・スケールに基づいて行うことも不可能ではない 本来、全音-半音ディミニッシュ・スケールはドミナント・セブンス・コードでは想定しないスケールである。 ところが、このスケールの8音中7音が、メジャー・スケールまたはブルー・ノートのいずれかである。 よって、違和感なくサウンドしてしまうことがある。 ブルースのマジックである。

ところで、ブルージーな楽曲のトニック・メジャーがすべて I7 とは限らないことに注意が必要だ。 例えば、God Bless The Child(B. Holiday, A. Herzog Jr.)の冒頭のトニック・メジャーは一般にImaj7 が使われるケースが多い(1小節目の2拍目を I7に代えてもよいが、この場合の I7 は、3拍目のブルージーな サブドミナント・メジャー IV7 へのセカンダリ・ドミナントであろう)。